Pickup Creator取材記事

人が集まる場に新しいものは生まれる

「デザインとアートを通じて人の心をつなぐ」

 

これが会社の理念です。アートが「真っ白なキャンパスに自発的に表現する術」だとすれば、デザインはそれを「より多くの人に伝え母数を広げる術」だと考えてます。新しいものはやりたいことの中から生まれるでしょうし、熱い想いを冷静にわかりやすくすることで、見る人、聞く人に気づきを与えることが僕らのできることなんじゃないかなと。

アートとデザインをテーマに、自社運営するコミュニティスペース -STORAGE-

 


STORAGEを全部屋解放して一夜限りのナイトミュージアムを開催

 

仕事内容は、グラフィックデザインから書店やバーの運営、イベントの企画まで、一見多岐にわたっているように見えますが、結局やっているのは「価値のある人や物事を、枠組みの垣根を越え、広く知ってもらう独自の手法を追求すること」なんだと思ってます。それを実現できるものがデザインとアートの力だと信じてます。

様々な分野が交わるフェスティバル-078KOBE-のクリエイティブを担当

 

無謀と言われても、行動することに意味がある

 

京都での大学時代は同級生の才能のすごさに打ちひしがれました。卒業後は印刷会社に就職しましたが、実力が足りないと感じ、1日で辞めました。その後、アルバイトをしながらSNSなどでデザインの仕事を探し、実績をつくりました。地元神戸では仕事のつながりがなく、高校までの知り合いも数少なく、無いものだらけでコンプレックスの塊でした。

そうこうするうちにお金も貯まり、今いる場所にオフィスを借りるまでになりました。最初は1部屋だけでしたが、同じビル内に、2部屋、3部屋と借り増していき、6年間で、ギャラリー、書庫バー、コワーキングスペース、ブックストアも運営するなど事業が広がっていきました。

人に必要とされたいという強い思いから、これら人が集まる場を作っていったんです。
スタッフもいますし、場を維持するために必死でやってきました。それでも知り合いが増えればその中から生まれる仕事もあるかなと。

『地域おこし協力隊』ロゴマークデザイン

 

 

異質なものを掛け合わせ、前例を覆す

 

ギャラリーでは作家さんに関心を持ってもらえるように「つくるプロセス」を見てもらったり、本とバーを組み合わせたり、ITと絵画を融合したり、と常に新しいこと、自分自身が見てみたい、を形にしてきました。人の後追いでは、新しいものは生み出せませんから。神戸大丸周辺で企画をさせていただいたイベント「旧居留地ナイトマーケット」では、これまで神戸で当たり前になっていた「ジャズと食」だけでなく、アートパフォーマンスや古本市を組み合わせました。異質なものを3つ以上掛け合わせ、再編集する。それもこれまでの活動と、いろんな人と出会えたからこそできたことです。

『旧居留地ナイトマーケット』ロゴマークデザイン

 

 

神戸のアートとデザインを底上げする一つの手法として、企業が実施するデザインコンペの公開プレゼンや、審査過程をオープンにするのはどうでしょうか。企業にとって、プロモーションになりますし、クリエイターにとっても、刺激の場にもなる。

ぼくらの役割は社会の中で異質なものを掛け合わせ、水と油を乳化させるようなこと。そのためには自分自身が、周囲に何を言われようと、思い描いた世界に向けて実践していくことしかないと思います。

取材者プロフィール

株式会社 神戸デザインセンター/濱 章浩

1980年 神戸市生まれ。2004年 京都造形芸術大学 情報デザイン学科 卒業。
2007年 デザイン事務所設立。ロゴデザインを中核とした、 企業・店舗のブランディング、ヴィジュアルアイデンティティ確立の仕事に携わる。
2012年 株式会社神戸デザインセンターとして法人化。ツムテンカク、TEDxKobe、神戸マルシェ、保育フェス、旧居留地ナイトマーケット、078など、様々なイベントにもアートディレクターとして関わる。又、ギャラリー、書庫バー、ブックストア、コワーキングスペースを運営。「アートとデザインで人の心をつなぐ」を理念にかかげ、様々な展覧会、ワークショップ、トークイベントなども多数 手がけている。