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CROSS vol.1「2020のクリエイティブ 企業とクリエイターが結ぶサスティナブルな事業の在り方」

クリエイティブとビジネスが交差するトークイベント「CROSS」(6回シリーズ)の第1回目が11月23日、デザインクリエイティブセンター神戸(KIITO)ステージフェリシモで開かれると聞き、参加してきました。

テーマは「2020のクリエイティブ 企業とクリエイターが結ぶサスティナブルな事業の在り方」。クリエイターが日々どんなことを考えて仕事に臨んでいるのかを企業の人に知ってもらい、クリエイターの活躍の場を広げていこうという試み。ゲストは中川政七商店会長・奈良クラブ社長の中川政七さん、TERUHIRO YANAGIHARA STUDIOデザイナーの柳原照弘さん、grafクリエイティブディレクターの服部滋樹さんの3人。一線で活躍するクリエイターの話が聞けるとあって会場は満員の盛況で、20、30代を中心に若い世代の姿が目立っていました。

 

経営>ブランド>商品

中川さんからは経営者の立場で経営とデザインの関係についてお話しがありました。経営とブランディングの位置づけについては、「経営の下にブランドがあってさらにその下に商品があるという構造をよく理解し、経営戦略、ブランド戦略、ブランドコミュニケーションの整合性を持たせることが大切」と強調。ものづくりにおいては、経営者とデザイナーのコミュニケーション設計が特に大切で、経営戦略とブランド戦略、ブランドコミュニケーションをお互いが理解しようとし、歩み寄ることが大切とも語っていました。

 

経営状況隠さないのがいい経営者

海外の仕事も手掛ける柳原さんは、自身の仕事を「経営者の方とクリエイティブな立場でかかわるデザイナー」と表現。有田焼の会社との仕事では、デザインビジョンを作り上げ、職人の技術を生かし、伝統にとらわれない有田焼の新ブランドを作ったそうです。「経営状況も含め洗いざらい話してもらうことができれば、こちらも覚悟を持って全力で臨む」と力説する柳原さんは、経営者が本気ならどんどん歩み寄ってコミュニケーションリテラシーを構築できるデザイナーなのだな、と感じることができました。

 

デザインとはビジョンを照らすこと

服部さんは、「デザインとは正しいコンセプトを見つけ出し、ビジョンを照らすこと」と考え、「大切なのは検証、解体、編集、再構築、アウトプットまでのリサーチライティングのプロセスだ」と説きます。ブランディングは物語であり、しかもそれを楽しく語れることが大事、とも。経営者のビジョンが正しければ、ストーリーはすでにデザイナーの頭の中で楽しくも壮大に語りはじめられているのかもしれません。

 

経営者は覚悟と腹積もりを

3人による討論では、中川さんからデザイナー、クリエイティブディレクターという肩書きを聞いてもどこからどこまでをやってくれる人なのか守備範囲がわからない、という疑問が他の二人にぶつけられました。柳原さんは「あえてデザイナーと名乗り、あいまいにしている」と回答。服部さんも「今は領域を崩す時代。カテゴリー化することには違和感を覚える」とここはギャップが浮き彫りに。また費用についての見解では、柳原さんは「いくらですかと聞かれると、逆にいくらかけられますか、と聞いてそれで本気度がわかり、それに対して僕も人生をかける」と回答しました。

 

これに対し、中川さんから「仕事への覚悟とものづくりへの愛情があればたいていうまくいく。そこだけは見るようにしている」と同じ思いをデザイナーを評価する際の判断材料にしていることが語られたのを受け、服部さんも「すべてを受け入れないとデザインはできない」と同調しました。

良いデザインを生み出すためには、クリエイターや企業という立場を超えて、お互いをさらけ出し、理解を深め、覚悟をもって、それぞれの視点を尊重し、チームとして一体的に機能することが大切なのだ、と感じました。